ピアジェの認知発達論

ベビーのこと

こんにちは
今回はピアジェの認知発達論について勉強したのでまとめてみました。

ピアジェは子どもが示す行動や言動に着目して、それを時系列に追いかけることでどのように変化していくか、そのプロセスを示しています。
人間の知能の誕生の基盤を、彼は「シェマ」「同化」「調節」の3つの概念で示しています。

シェマとは、個人がもつ認知的な枠組みのことで、
過去の経験や記憶、知識によって脳の中に蓄積されたものを示します。
このシェマを基盤に新たな経験をして、既に蓄積されているシェマに取り込むことができると同化したということになります。
しかし、既存のシェマと異なる事象に出会った場合、同化できません。
そこで、それに自分を合わせるようにシェマを変化させていきます。これを調節と言います。
この同化を調節を繰り返して、脳内のシェマを大きくさせていきます。

ピアジェは発達プロセスを「感覚運動期」と「表象思考期(前操作期・操作期)」に分けています

感覚運動期は自分の身体運動を通じて知覚体験を繰り返していく段階です。
1か月頃は原始反射の出現が著名です。例えば、吸啜反射。
乳首や指が口に入ると反射的に吸啜運動をします。
しかし、4か月頃にはその反射運動に修正や分化が起こり、乳首を吸うときに自分の吸いやすい方向に調節したりすることができるようになります。

4か月以降には自分の身体で行っていた感覚運動に玩具などの道具が入ってきます。
ガラガラを振るなど、その変化を楽しみ、繰り返そうとします。

12か月頃になると、新しい手段を試行錯誤の中から獲得していきます。
はじめは身体を使って試行錯誤して学習していきますが、
18か月以降になると、まずは頭の中でイメージして実行するようになります。
頭の中でイメージすることをシェマの内面化=脳内の表象と言います

ブルーナーは3つの表象手段を示しています。
行為的表象から映像的表象、象徴的表象と順に獲得していきます。
これらの表象が獲得されることで、ある言語を聞いてそれを脳内でイメージするという行為が可能になります。

表象的思考期は前操作期と操作期に分かれています。

この頃は言語発達に伴って言語で目の前の事象を分類したり、
外界の成り行きに興味をもって「なんで?」「どうして?」などの質問期に入っていきます

また、ごっこ遊びや空想遊びをするようになり、イメージを積極的に利用するようになります。
しかし、この時期は“自己中心的”な視点であり、他者からの視点をイメージするのは難しいです。
さらに、保存の概念が未発達なので、見かけにとらわれやすいです。

7歳頃になると、自己中心的な視点から脱し、他者の視点もイメージできるようになります。
保存の概念も獲得でき、見かけに左右されなくなります。
「長さ」や「質量」に対する保存の概念が早く獲得され、
続いて「面積」や「重さ」に対する保存の概念が獲得されていきます。

12歳以降になると抽象的・形式的な考えが可能になり、
経験していないことについても推測することができるようになります。

このように、人間の知能は自分の身体を介した感覚運動的なものから
身体を介さず脳内でイメージする表象的なものへと発達していくようです。

今回はこの辺で。

参考文献
・森岡 周.発達を学ぶ人間発達学レクチャー.協同医書出版社
・汐見 稔幸監修.2017年版保育士完全合格テキスト上.翔泳社

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